UPCOMING EXHIBITION

「オランダ×千葉 撮る、物語る―サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」展開催記念 / 清水裕貴「海は地下室に眠る」

2026年1月9日(金)— 1月24日(土)

© Yuki Shimizu

「オランダ×千葉 撮る、物語る―サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」展開催記念
清水裕貴「海は地下室に眠る」
会期:2026年1月9日(金)- 1月24日(土)
*定休日: 日、月、祝日
営業時間:13:00 – 19:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)/ 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
協力:千葉県立美術館、PGI、コンタクト
Talk Event:2026.1.10(土)16:30-18:00
Opening Reception:2026.1.10.(土)18:00–19:00

 この度LAGでは、1月9日(金)から1月24日(土)まで、清水裕貴による個展「海は地下室に眠る」を開催いたします。本展は、現在千葉県立美術館で開催中の企画展「オランダ×千葉 撮る、物語る ー サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」(~1月18日(日))のサテライト展覧会となります。同展において、清水は明治期の千葉を撮影した徳川昭武の足跡を追い、写真黎明期の光や洋画文化を紐解くインスタレーションを展開しています。かつての将軍家当主が、カメラという新しい「眼」で捉えたものが地上の光であるならば、本展「海は地下室に眠る」で試みるのは、地層の奥底へと潜る行為といえます。

展示の核となるのは、同名小説のリサーチで訪れた稲毛の埋立地の風景と、そのフィルムを現地の海水と黴(カビ)で腐食させ、傷や滲みごと焼き付けた作品群です。かつて軍都として栄え、空襲を経て、戦後の開発によりコンクリートの下へ封印された千葉の記憶。フィルムに化学変化という「痛み」にも似た刺激を与えることは、埋め立てにより2キロ先へ遠のいた波の音や、失われた潮風を呼び覚ますための儀式でもあります。

ギャラリーに並ぶのは、変貌した現代の海浜都市と、浸食されたフィルムが描く腐食と再生の風景、そして過去の呼び声に耳を澄ます物語のテキスト。徳川昭武が硝子板に定着させた「明治の光」と対をなす、現代の埋立地に眠る「暗がりの海」の物語。文字と粒子が交錯するこの場所で、過ぎ去った時間が静かに呼吸しています。

本展では、千葉県立美術館で開催中の「オランダ×千葉 撮る、物語る ー サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ」展公式図録(刊行:赤々舎、印刷:LIVE ART BOOKS)を販売いたします。また、1月10日(土)には、水戸芸術館現代美術センター学芸員の畑井恵氏を招いてのトークイベントも開催いたします。この機会に是非ともお越しください。

 
 

RELATED EXHIBITIONS|

関連展覧会

 

「オランダ×千葉 撮る、物語る ー サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」
会期:2025年11月15日(土)- 2026年1月18日(日)
休館日:月、ただし1/12は開館、12/28-1/4, 1/13
営業時間:9:00 – 16:30(入場16:00まで)
会場:千葉県立美術館 第1・2・3・8展示室
入場料:一般1,000円、高大生500円
詳細:https://www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibition/events/event-8482/

PROFILE|

プロフィール

 


清水 裕貴 Yuki Shimizu

千葉県生まれ。2007年、武蔵野美術大学映像学科卒業。2011年、第5回写真「1_WALL」グランプリ受賞。2016年、第18回三木淳賞受賞。2017年頃から小説の執筆を始め、2018年、新潮社R18文学賞大賞受賞。土地の歴史や伝承のリサーチをベースにして、写真と言葉を組み合わせて風景を表現している。

主な出版物に、小説「ここは夜の水のほとり」新潮社(2019年)、小説「花盛りの椅子」集英社(2022年)、小説「海は地下室に眠る」KADOKAWA(2023年)、写真集「岸」赤々舎(2023年)がある。

主な個展に「浮上」(PGI、東京、2024)、「眠れば潮」(PURPLE、京都、2023)、「微睡み硝子」(PGI、東京、2022 年)、主なグループ展に、「千葉ゆかりの作家展 百年硝子の海」(千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷伝兵衛稲毛別荘、2021)、「とある美術館の夏休み」(千葉市美術館、2022)、「MOT アニュアル 2024 こうふくのしま」(東京都現代美術館、2024)がある。

Web:https://shimizuyuki.com/

BOOKS|

書籍情報

 

図録 『オランダ×千葉 撮る、物語る―サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴』



本書は、左から開くとオランダの新進気鋭の写真家、サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウの作品を紹介するオランダパート、右から開くと千葉を拠点に活動する写真家、小説家の清水裕貴のアプローチを通して、千葉ゆかりの古写真のコレクションを紹介する千葉パートがはじまる構成となっています。千葉のパートでは、清水裕貴が、写真、絵画、日誌などによって風景(眺め)を継承する人々の営みを、言葉と写真で綴る時空を超えた物語へと誘います。


編集:千葉県立美術館、コンタクト
執筆:清水裕貴、小寺瑛広(松戸市戸定歴史館 研究員)、貝塚健(千葉県立美術館 館長)、廣川暁生、石田彩
翻訳:トライベクトル株式会社、成田八千穂(千葉県立美術館 学芸補助)
アートディレクション:上田英司(シルシ)
デザイン:上田英司、叶野夢(シルシ)
印刷・製本:株式会社 ライブアートブックス
発行:株式会社 赤々舎
仕様: B5判、224P

本体価格:4,400円(本体4,000円+税)
※会場にて販売いたします

 
 

『海は地下室に眠る』
著者:清水 裕貴

発売日:2023年1月30日
判型:四六判

本体価格:1,980円(本体1,800円+税) 
※会場にて販売いたします

TALK EVENT|

トークイベント

 

登壇者:畑井恵 (水戸芸術館現代美術センター学芸員)、清水裕貴
日時:1月10日(土) 16:30-18:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)ACCESS
料金:¥500.- ※事前予約制 
 
*トークイベントのお申し込みはこちらから

 
[ゲストプロフィール]

             Photo:Ichiko Uemoto

畑井 恵 Megumi Hatai

水戸芸術館現代美術センター学芸員。高校中退後、辻製菓専門学校、辻調グループフランス校シャトー・ド・レクレール卒業。Chocolaterie Béline(stage)、フランス菓子シャルル・フレーデルにパティシエとして勤務の後、高等学校卒業程度認定試験を経て、大阪大学文学部で西洋近現代美術史を専攻。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了、同研究科博士後期課程単位取得退学。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館学芸員、千葉市美術館学芸員を経て現職。主な企画展に「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」(2026)「山下麻衣+小林直人 他者に対して、また他者と共に」(2024)、「とある美術館の夏休み」(2022)、「目[mé] 非常にはっきりとわからない」(2019)など。