UPCOMING EXHIBITION

北田瑞絵「不滅の星」

2026年2月13日(金)— 2月28日(土)

© Mizue Kitada

北田瑞絵「不滅の星」
会期:2026年2月13日(金)- 2月28日(土)
*定休日: 日、月、祝日
営業時間:13:00 – 19:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)/ 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
Talk Event:2026.2.14(土)17:00-18:00
Opening Reception:2026.2.14.(土)18:00–19:00

 この度LAGでは、2月13日(金)から2月28日(土)まで、写真家・北田瑞絵による個展「不滅の星」を開催いたします。本展は、新たに刊行される写真集『不滅の星』(印刷:Live Art Books)の出版記念展覧会です。

和歌山県で生まれ、現在も同地で暮らす北田は、2016年に塩竈フォトフェスティバルで写真賞大賞を受賞、2018年には受賞作をもとにした写真集『一枚皮だからな、我々は。』を刊行しました。以降も身の回りの環境を起点に、生活の時間と不可分に写真制作を続けています。

本展で発表される「不滅の星」は、北田が近年取り組んできた新たな写真シリーズです。北田はこれまで、人物や犬、植物など身の回りの存在を撮るなかで、「生活」の手触りと、そこに在る「生命」の感覚を写真として定着させてきました。その蓄積はやがて、記憶や記録に残る/残らないを問わず、そこに存在するものそのものへと意識を向ける契機となっていきます。記憶からこぼれ落ちたとしても、そこに存在していたという事実は消えない。また、その在り方は決して奪われない──そうした「存在」の揺るがなさを信じるなかで、本作は生まれました。

本シリーズは、他者の尺度に回収されない「在り方」の核を見据え、その不可侵性を写真として提示します。人物、犬、みかん、植物、無生物など、身の回りにあるさまざまな存在は、生活のなかで交錯し、関係を結んできた時間の層をまといながら、それぞれの固有性を保ったまま写真のなかに留まっています。

会期中の2月14日(土)には、東京都写真美術館学芸員・小林麻衣子氏を迎え、作家とのトークイベントを開催予定です。この機会にぜひご高覧ください。

 
 

—Artist Statement—

存在しているもの/存在しているのに無視されるもの/気付かれるもの/
さまざまだが、それが人物にせよ場所にせよ落とし物にせよ、だれかが出会う前からそこにいて、目を離したあともいつづける。

 
すべての存在が一個体にして十全であるにも関わらず、かかわりのない別の存在を自己の物差しで測り、土足で踏み込み、物申す人は少なくない。その行為には【奪える】という眼差しが含まれている。

 
自分は和歌山で生まれ育ち、現在も同地で暮らしている。うちは農家でみかんや柿を作っている。ちいさな頃から山のなかの畑で遊んでいて、今も畑で地べたに寝転んでいたらひどく安心する。木々を揺らす風の音に耳を澄ます、蟻が手首によじ登ってくる、鼻腔をひらくと土や草のにおいがする。だんだんと自分という人間が自然の一部になっていく。安心の正体とは、人間の皮を脱ぎ、生命の原初にかえってきた「ただいま」なのだ。

 
写真を通じて、生活を通じて、犬もみかんも植物も人間もすべて一枚皮におおわれた命であると思うに至った。もともと根っこにあったアニミスティックな物の見方が、写真を撮ったり農業を手伝ったり犬を見つめたり生活を営んだり被写体になってくれる女性と過ごす時間のなかで育まれた。

 
生物も無生物も、名無しでも名前があっても、かたちが見えても見えなくても、形態や事情なんて関係なくある意味乱暴に、ありとあらゆるものがふたつとない存在であるという大変な事実をその一身に抱えている。それが実におそろしく、おもしろい。

 
生物にせよ、石にせよ、都市にせよ、手付かずの自然にせよ、シャッター街にせよ、ブックオフにせよ、時計にせよ、みかんにせよ、わたしにせよ、あなたにせよ、いのちはそれ自体で十全なのだ。
そして、いのちには尊厳がある。 やはり他者を踏み荒らしたり、旨味を盗用したり、在り方を奪おうとする行為は許せない。だけど、ひとりの人間のなかに、眼差しが濁る瞬間も、お日さんを映す朝つゆのようにまばゆい瞬間も共在している。だから、信じて言う。

 

不滅の星とは、わたし自身、あなた自身の中心点。
だれであっても、いたずらに触れることも、奪うこともできない。

この価値観を、世界単位で共有したい。

 
北田 瑞絵

PROFILE|

プロフィール

 


北田 瑞絵 Mizue Kitada

1991年、和歌山生まれ、同地在住。

著書に『一枚皮だからな、我々は。』、『inubot回覧板』がある。
2016年、塩竈フォトフェスティバルで『一枚皮だからな、我々は。』のポートフォリオが大賞を受賞し、副賞で写真集が刊行された。
Twitter(現X)で「inubot」というアカウント名で愛犬との日常の写真を投稿している。
2019年には、犬との日常を綴ったフォトエッセイ『inubot回覧板』を扶桑社から出版。

主な展覧会
2014「1_WALL」(ガーディアンガーデン/東京)
2018「一枚皮だからな、我々は。」(Alt_Medium/東京)
2018「一枚皮だからな、我々は。」(ビルドスペース/宮城)
2019「inubot」(Alt_Medium/東京)

Twitter(now X)/Instagram:@inu_10kg

BOOKS|

書籍情報

 

『不滅の星』


発売日:2026年2月13日(金)
著者:北田瑞絵
デザイン:タキ加奈子(soda design)
寄稿:金子由里奈
翻訳:羽柴彩月
印刷・製本:株式会社ライブアートブックス
H297 × W210 mm/72頁
本体価格:4,840円(税込)   
※会場にて販売いたします

 
 

TALK EVENT|

トークイベント

 

登壇者:小林麻衣子 (東京都写真美術館学芸員)、北田瑞絵
日時:2月14日(土) 17:00-18:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
料金:¥500.- ※事前予約制 
 
*トークイベントのお申し込みはこちらから

 
[ゲストプロフィール]


小林 麻衣子 Maiko Kobayashi

東京都写真美術館学芸員。1982年長野県生まれ。神奈川県民ホールギャラリー学芸アシスタント、ヨコハマトリエンナーレ2017コーディネーター、あいちトリエンナーレ2019 国際現代美術展アシスタント・キュレーター、黄金町エリアマネジメントセンターキュレーターを経て、2022年より現職。主な企画展に「現在地のまなざし 日本の新進作家展 vol. 21」(2025年)など。日本写真芸術専門学校非常勤講師。