CURRENT EXHIBITION

飯沼珠実 「Salut, Mr Bruno Taut」

2026年6月5日(金)- 6月27日(土)

© Tamami Iinuma

飯沼珠実 “Salut, Mr Bruno Taut”
会期:2026年6月5日(金)- 6月27日(土)
*定休日: 日、月、祝日
営業時間:13:00 – 19:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)/ 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-11 Daiwa神宮前ビル1F
協力:KANA KAWANISHI GALLERY

 LAGでは、2026年6月5日(金)から6月27日(土)まで、飯沼珠実による展覧会「Salut, Mr Bruno Taut」を開催いたします。

本展は、飯沼珠実による同名写真集『Salut, Mr Bruno Taut』の刊行記念展覧会です。飯沼はこれまで、「建築の建築」をテーマに、人々の記憶の集積としての建築物や、その住処として形成される都市や風景を被写体に制作を行ってきました。本シリーズでは、建築家ブルーノ・タウトが1920〜30年代にドイツで手がけた「ジードルング(集合住宅)」を被写体に、2010年から2014年にかけてベルリンおよびマクデブルクで撮影された作品を発表します。

2008年にベルリンへ移住した飯沼は、市内の周縁部に点在する集合住宅を訪ね歩きながら、長い時間をかけてその風景を撮影していきました。そこで飯沼が見つめていたのは、近代建築そのものの造形や記録にとどまらず、建築が現在まで生活のなかで使われ続けることで蓄積してきた時間や痕跡です。壁面の色彩、窓辺の気配、樹木の影、駐車された車、塗り替えられた痕跡—それらは建築を単なるモニュメントではなく、歴史と日常が交差する場として浮かび上がらせます。

撮影初期には、ポートレート撮影に用いられることの多い中判カメラ「Mamiya RZ67」が使用されていました。飯沼にとって建築は、単なる構造物ではなく、人と等しい存在感を持つ対象として立ち現れていたといいます。一方で、氷点下のベルリンで繰り返されたフィルムの不調や現像トラブルを経て、制作は次第にデジタルへと移行していきました。そうした変化もまた、本シリーズに流れる時間の一部として写し込まれています。

さらに、本作にはドイツ近代建築を見つめる日本人としての視点も重ねられています。日本への亡命経験を持ち、日本文化への深い関心を抱いていたブルーノ・タウトと、東京に生まれ育ちベルリンへ渡った飯沼の視線は、異なる時代と土地を往還しながら交差していきます。建築や都市の風景に刻まれた時間の層と、そのなかに残された人々の営みへと向けられた飯沼のまなざしを、ぜひご覧ください。

*会期中にはトークイベントも予定しております。6月6日(土)には久後香純氏(美術史研究者)、6月18日(木)には大島成己氏(アーティスト)をゲストに迎え、それぞれ飯沼との対話を行います。

PROFILE|

プロフィール

 


 
飯沼 珠実 / Tamami Iinuma

東京都世田谷区生まれ。「建築の建築」をテーマに、人々の記憶の集積としての建築物、建築物の住処としての都市や風景を被写体として写真撮影に取り組む。2008年から一年間、ライプツィヒ視覚芸術アカデミーに留学、2013年までライプツィヒに在住(2010年度ポーラ美術振興財団在外研修員)。2014年から一年間、シテ・アンテルシオン・デ・ザール・パリに滞在。2018年、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。2020年、版元『建築の建築』を設立。現在は東京を拠点に活動。

Web:https://tamamiii.com/
Instagram:@tamamiii_i

関連トークイベント

 
Artist Talk (vol.1)
日時:6月6日(土)14:00 – 15:00 (受付13:30-)
登壇者:久後香純(美術史研究者)、飯沼珠実
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
入場料:500円(税込)
定員:30名 ※事前受付制 

Artist Talk (vol.2)
日時:6月18日(木)19:00 – 20:00 (受付18:30-)
登壇者:大島成己(アーティスト)、飯沼珠実
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
入場料:500円(税込)
定員:30名 ※事前受付制 

両日とも予約は こちら から

 
 

GUEST PROFILE|

ゲストプロフィール

Artist Talk (vol.1)


 
久後 香純 / Kasumi Kugo

京都大学人間・環境学研究科日本学術振興会特別研究員PD。ニューヨーク州立ビンガムトン大学美術史コースに博士論文「The Theory and Practice of Eizō: Photographic Publications in 1960s’ and 1970s’ Japan」を提出し博士号取得。写真史およびメディア論を専門に研究に取り組む。その他の主要論文に「「アノニマスな記録」としての写真――1960年代後半から70年代前半における写真のリアリズムについて」『映像学』(2022)がある。

 
 
Artist Talk (vol.2)


 
大島 成己 / Naruki Oshima

美術家、多摩美術大学教授。「視ること—世界との新たな関係の取り方」をテーマに、主に写真による作品制作を行う。日常的な空間解釈に揺らぎを生じさせ、被写体イメージを構成する光や色彩、そして触覚性を増幅させる表現を追求している。建物のガラスファサードをモチーフとした『Reflections』シリーズなど、ありふれた風景をレイヤーとして解釈し、写真空間の再構築を試みている。

Web:http://www.naruki-oshima.org/

Books|

書籍情報

 

『Salut, Mr Bruno Taut』 飯沼珠実


著|写真|編集:飯沼珠実
文章:Thibaut du Ruyter、飯沼珠実
デザイン:芝野健太
印刷:株式会社ライブアートブックス
発行:建築の建築
サイズ:191×144mm (A5変型)
仕様:64頁|写真40点収録|4C|三つ目綴じ
ISBN978-4-9911475-5-5

Price:5,500 JPY(tax included)
※会場にて販売いたします